2001年3月15日(木)  〜27日目〜
 適当に日の出の時刻の予想をつけて、暗い中、がんばって起きてみたけど、もうほんといつも通り。雲で見えない。しかたなく、明るくなるのを待って海岸を散策。ライオンが吼えているような形をした獅子岩(写真↓)とか、大きな岩の中がくりぬかれたようになって洞窟みたいになってる神仙洞(現在所有者の意向により立ち入り禁止)とか、微妙におもしろい無名な観光スポットがちまちまある。

 今日は鳥羽から伊良湖へフェリーで渡る。鳥羽には中学生の頃からずっと憧れていた鳥羽水族館もあるので、ぜひ寄ってみなくては。


  R42を北上し、R260へ入ろうとして、あまりの細さにためらう。車1台ギリギリの幅、崩れかけた路肩のすぐ脇は小川。深い森の中で木洩れ日がのどかだけど、走るには怖すぎ。こんなに細いのにかなりな勢いで対向車来るし。いちばん恐怖したのは幅2mの棚橋トンネル。バイクとバイクでもすれ違うのが怖い狭さ。何よりトンネル内に灯りが全くなくて何も見えない。路面は荒れてるっぽいので、もっとはっきり見ようとハイビームにしても、道は微妙に下ってるらしくて、地面にライトが当たらない。ただひたすら顔をまっすぐ前に向けて、出口の光を見つめながら一本橋状態で走るしかなかったです。


 いつまでも続くように思えたこの細い道もようやく終わり、人里に出て来れたんで、そっこーでガソリンスタンドに入る。とにかく一息つきたかった。ここからしばらく進んだところで、雨がぽつぽつ降り出す。まさかなーって思ってそのまま走ってたら、本降りになってしまった。マジかよー。今までだったらジャケット脱いでGジャンになってからレインウェア着てたけど、この寒さでジャケット脱ぐのは無理。しかも私のレインウェアは思いっきり水がしみてくる。Gジャンとレインウェアで走るなんて、もう自殺行為だ。確かこのジャケットって防水だったはずだし、それを信じて下だけレインウェアをはいて走る。ベージュのジャケットに蛍光イエローのレインパンツ…すさまじいコーディネートだけどしょーがない。


  鳥羽水族館の周りをグルグルしてたら、ちょうどバイクを停められそうな屋根のあるスペースがあったのでそこに入る。寒いし、ビショビショだし、すごいみじめ。濡れたアウターは全部ホーちゃんに引っ掛けて、適当にウインドブレーカーを羽織って水族館まで走る。あー、傘が欲しい。現在時刻は11時過ぎ。急げば13時のフェリーに間に合うかもって思ったんだけど、館内に入ってそっこーであきらめる。入場料2300円もするだけあるわ。広い…。せっかく小さい頃からずーっと来たかった場所に来たんだし、やっぱりじっくり見ないと。


  もう水族館や海はあちこちで見てるんで、展示も似たようなものが多いけど、大きな水槽の中を潜り抜けるトンネルとか、膨大な量の貝の展示なんかはすごかった。クリオネも初めて見れたし。ほんとに天使みたい。両手(?)を一生懸命ヒラヒラ振って泳ぎ回る姿はすごいかわいい。そして、この鳥羽まで来て、ようやくジュゴンを見れた。沖縄ではマナティーしか見れなかったので、ぜひぜひ見てみたかった。正直、ジュゴンとマナティーは本当によく似てて、丸々してデカいし、人魚に間違われるなんてありえねーよって思うけど、確かにジュゴンとマナティーならジュゴンの方がまだ人魚っぽいかなと思った。マナティーは男の人のスネのよーにムダ毛が気になるんだけど、ジュゴンは白くてツルンってしてた。


 かなり急いで見たつもりだったけど、一通り見るだけで2時間くらいかかってしまった。14時のフェリーもギリギリ。本当はどこかでお昼食べたかったのになあ。しょうがない、お弁当を買って乗船。雨はやんだ。何やら三島由紀夫の小説「潮騒」の舞台の島の近くを通るらしいけど、お弁当食べたら眠くてダウン。しかしよくフェリーに乗る旅だった。全8航路、合計で約80時間の船旅。


 伊良湖に着いてみたら、何やらひどく寂しい風景。人気がない。R42をただまっすぐ浜名湖へ向かって走る(紀伊半島のR42からずっと続いてて、鳥羽〜伊良湖の航路は「海のR42」と呼ばれてるそうです)。もうここまで来ると観光の目的もないし、つまらーん。たまに菜の花が咲いてるのがきれいだけど。茨城の実家近辺の風景に似てる畑の中の道を走って、浜名湖YH近くまで来た。まだ夕方で明るいから、YHもあんまり迷わずに到着。夕食は、せっかく浜名湖に来たことだし、うなぎを食べに行く。長かったこの旅も、実質的には今夜で終わり。最後の夕食くらいゴーカにしないと。


  YHに戻るとけっこう人がいっぱい来てて皆でお話。古川(←仙台の隣町)で先生やってる人と、同学年(つまり、みんな旅が終わったら就職)の子3人で、話が盛り上がる。JR利用者はよく会うし、原チャで東京から奈良まで帰るってのもまあ理解できるけど、東京・日本橋から歩いてきたっていうのにはびっくりした。教えられて気づいたけど、ここは東海道。けっこう歩いて旅してる人がいるらしい。一日に30kmくらいしか進まないとのこと。バイクなら街中でも1時間あれば余裕の距離を、丸一日かけて歩く。「時間の密度」というものに思いを馳せました。
14日 15日 16日 20日