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2004年11月11日(木) 〜4日目〜  曇り後雨  228.6Km

 雨って予報にどきどきしながら目を覚ましたら、なんだ、雲多いけど太陽見えてるじゃん。昨日も日の短さに泣きを見たので、今日は6時起き、6時半出発。早くしないと雨が降ってきちゃうかもしれないし。海沿いのR42を真っ直ぐ南下。途中道の駅が二つほどあったけど、もちろん朝早すぎて何も開いてませんでした。今日のプランは世界遺産にもなった熊野古道巡り。まずはいちばん近い新宮の熊野速玉大社を目指す。




 お寺とか神社っていうのは相当朝早くても入れないってことはないし、大抵どこも広い無料駐車場を持ってるから、ツーリングライダーには助かります。ただ今の時刻、朝の7時半。境内をお掃除してる職員の方々に挨拶しながら本殿へ。朱に塗られた建物が鮮やかに緑に映えて、すごく綺麗なお寺です。





 境内にあるナギの木は、樹齢1,000年とのこと。根元のとこに小さく写ってる私と比較してください。ものすごい巨木です。ナギっていう木は「災いをなぎ払う」力があるそうで、一生懸命ジャンプして葉っぱに触ってきました。なにかご利益がありますように。





 さらに少し南下して、次は那智山。R42から細い県道43号に入って、山を上っていく。有料の那智山スカイラインを通らなきゃいけないのかと思ってたら、有料道路に入る寸前のヘアピンカーブのとこに那智の滝の入り口があり、狭いけど無料の駐車場が数台分設けられてた。無事にぜったん停めて、ここから歩いて散策開始。

 那智の滝は今年の台風で滝壷で土砂崩れがあったって聞いてたんだけど、滝の景観には影響なかったみたいでよかった。真っ直ぐ一直線に流れ落ちるこの滝は、華厳の滝・袋田の滝とともに日本三名瀑の一つで、これで私は3つ制覇です♪



 那智の滝から熊野那智大社までは少し歩くけど、裏参道・表参道をぐるっと歩いてお参りできたから却ってよかったな。息を切らしながら裏参道の階段を登り歩いていくと、青岸渡寺の真っ赤な三重塔が見えてきて、ここを過ぎると熊野那智大社。ここも朱塗りの鮮やかなお寺です。そして、ここではどーしてもやりたかったことが…。それは「平安衣装貸出」。¥1,000で着付けしてくれて、1時間ほど境内を散策できるらしい。



 着物とか浴衣とかアオザイとかチャイナ服とか、もーとにかくアジアな服が大好きなもんで、一人旅だけどやってみずにはいられなかった。綺麗な巫女さんに着付けてもらって10分程度で完成。おー、すげー、綺麗(服が)♪ …そして、歩きにくい(-ω-;) 昔の人はほんとにこんなカッコでお参りしてたのかな? 階段登ると裾踏むし、被ってる笠はすぐ落ちてくるし、なんかそっこーでやんなってきたんですけど。完全に一人じゃ寒いことこの上なかっただろけど、ツアーのおじちゃんおばちゃんが「可愛い♪」って誉めてくれたり、頼まれて一緒に写真撮ったり、あんまり寂しいハメに陥らなくてよかったです。


 新宮まで戻ってR168に入り、熊野川に沿って山の中へ入っていく。途中の道の駅・瀞峡街道熊野川の「かあちゃんの店」で昼食に茶がゆ定食(¥680)を注文。茶がゆの他に煮物とめはり寿司とお漬物がついてこの値段は良心的。私はどろどろのおかゆは苦手なのですが、これはしっかりご飯の粒が残ってるアルデンテ(?)なおかゆで、お茶の香りも香ばしくて美味しく食べられました。塩っ気はないので刻んだ野沢菜漬みたいなのを勝手に混ぜて食べてたのですが、食べ方として合ってたのかな??




 そして熊野三山の3つ目、熊野本宮大社に到着。タクシーの運転手さんたちのご好意でタクシー乗り場にぜったんを停めさせてもらったところで、雨が降り出す。ここまでもってくれたんで今日はもう満足。ちゃんと折り畳み傘も持って来てるんで、傘をさしてお参り。今までの2つと違って本宮は華やかさのない落ち着いた木のお寺。しとしとと降る雨に濡れて、とっても雰囲気はいいのですが、ここってばほんとは本物じゃない。



 本物の本宮大社はかつて熊野川の中洲に立ってたのですが、明治の大洪水で流されて、残った建物を現在の場所に移築したんだとのこと。日本一の大きさだというこの鳥居の向こうに、元の本宮跡地が残ってます。かつては熊野川の清流を渡ってお参りしたのだという元の本宮を、是非見てみたかったな。明治の話じゃいくら私が急いで来ても間に合いようもなかったわけだけど、のんびりしてたらせっかくのきれいな風景が今もどんどんなくなっていっちゃうわけで、行ける時間と手段があるうちは旅に出なくちゃなって思います。


 さて。熊野三山も全部見れたので、あとはひたすらR168を北上。雨なので無理せず淡々と走る。ふと気がつくと、十津川の水の色は2種類あることに気がついた。茶色と綺麗な緑色。緑色の水は場所によってはやけに深い青に変わる。そして圧巻だったのが、2つの流れが合流するここ。やっぱり青い色は絵の具でも流してるんじゃないかって思ってしまうくらい、不思議な風景でした。



 もうちょっと進むと谷瀬の吊り橋。長さ297m、高さ54mとのこと。雨だけど二輪は屋根付の駐車場に入れるので助かりました。私はマップルに載ってたから来ただけで、そんなに有名なところだとは思ってなかったんだけど、観光バスまで来てました。20名以上で渡っちゃダメって書いてあるでしょー。おじちゃんおばちゃん、そんなにがんがん押し寄せてこないでってば。観光用のものではなく、地元の皆さんの生活に使われる橋なので、もちろん無料です。ちなみにここは歩行者専用。



 R168から県道53号に入り、洞川温泉を目指す。ジパツーの付録のクーポン券で貸切温泉の無料体験ができるんで。細くて荒れた雨の県道を必死に走って何とか到着。両脇に立ち並ぶ旅館の中に目的の旅館を探したんだけど、細い県道は旅館街を過ぎてどんどん山の中に入っていく。どーも通り過ぎたっぽいな。Uターンするべく小さなお堂の脇にぜったんを停めたら、道の端っこの石碑に「…女人禁制…」何とかって書いてある…。…えーっ、ここから先、私は入っちゃいけないの? つか、すでにぜったんのフロントタイヤは石碑より先に入っちゃってるし。


 どうにも細い山道で、石碑の先の空き地に入って切り返さなきゃ戻れなかったんで、「すいません、すいません」って何度も謝りながら石碑より先、入りました。ほんとすいません。でもほんと2m行ったか行かないかです。バチとかあてないでください。

 温泉街に引き返して無事に「紀の国屋 甚八」発見。すでに貸切入浴時間は終わってたけど、快く体験入浴させて頂きました。雨で凍えた身体が生き返りました。あ〜、いいお湯だった。



 のんびり温泉に入ってたせいで、雨はやんだけどすでに日は暮れちゃってる。今日の宿・吉野山のYHまでは今まで走ってきた県道をまっすぐ北上すればいいだけなのですが、走り出してそっこーで見た看板「道幅細く、通行困難、崩落注意、R309へ迂回しろ」…いや、国道まで戻って迂回してる時間なんかないし、バイクだし、マップルではお勧めルートになってるくらいだし、大丈夫だろっと看板を無視して、ほんと後悔しました。今となって言えることは「この看板の言ってることはほんとです。ちゃんと従った方が身のためです」ってこと。


 ほんとに細い、荒れ放題の舗装。標識も全くない。そして、落ち葉でアスファルトすら見えない。これって県道じゃないんじゃないか、こんなに落ち葉が積もってるなんてここ数ヶ月誰も通ってないんじゃないか、この先進んだところで吉野山どころか全然違うところに連れていかれちゃうんじゃないか、いや、人里に出れたらまだしも、真っ暗な山の中で身動き取れなくなるんじゃないか…とにかくマイナスなことばっかり思い浮かぶ。普段ならおばけや霊の類が怖くて耐えられなかっただろうけど、気を抜けば濡れ落ち葉や荒れた舗装にタイヤをとられる状況で、今にもコースアウトしそうな細道から振り落とされないようにぜったんを導くのに必死で、他のことを考える余裕は一切ありませんでした。


 時間の感覚も距離の感覚も狂いかけた頃、ようやく出会った対向車を必死で呼び止め、道を聞く。この道が県道48号であるという確証が欲しかった。さらにしばらく行くと、ようやく集落っぽいものが見えてきた。でも、集落の手前で道は全く同じ太さのまま、二股に分かれてる。どっちが正しい道か、全く検討がつかなかったので、ぜったんをY字路のど真ん中に停めたまま、いちばん手前の民家に入り、再度道を聞く。団欒中だったと思しきご夫婦は、突然メット片手に押し入ってきた小娘に、丁寧に道を教えてくれました。温泉からここまでの道中、出会った人間の数よりタヌキの数の方が断然多いです。人に会うと心底ほっとする。ああ、人間ってマジで大好きだとか思い始めます。人間不信になったひっきーはちょっと一人で遭難してみると、また人間社会で暮らしたいという気持ちが切々と湧いてくると思う。


 またしばらく進んでやっと広い道路に出られ、そこで気が緩んだのか本気で涙出ました。生きて帰れそうだと。うん、泣くのはまだちょっと早かった。ちょっと行ったらまた同じくらい細くて標識もない霧の中の道をしばらく走るハメになったし。何でこんなに苦労してるのかな? 何度道を疑った? 何回取り回しでバックした? ルート設定が間違ってるのか、奈良県の道路政策が間違ってるのか。とにかく最初の看板に従うべきだったってことだけは確かです。



 吉野山喜蔵院YHはお寺のYH。お部屋もお風呂も旅館並に豪華で、ぐっすりと今日の疲れを癒しました。生きてるってほんと素晴らしいなって心の底から実感した一日。

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